国税不服審判所の採決
国税不服審判所の採決の前に
最高裁判所での従業員持株会
の取得価格での買い戻しを認めています。
のでその説明から
① 株式譲渡の自由について
従業員持株会が従業員の退職時に
強制的に買い戻しされることについて
最高裁判所の判断ですが
株式譲渡の自由の原則は
当事者間の個々債権契約の
効力まで否定することはできない
と 従業員持株会が 時価で強制的に
買い戻すことに関しては 旧商法に
違反しないと判断されています。
②公序良俗違反性
定額での株式の買い戻しについては
投下資本の回収として
毎年配当などを行っており
従業員持株会の本来の目的が
従業員の財産形成などであることから
株式のキャピタルゲインを認めずとも
取得価格での買い戻しは違法性は
ないと判断されています。
これに対して 国税不服審判所の採決です。
国税不服審判所の採決
原告は 従業員の遺族で 会社から1株
額面金額の1万円で買い戻しが行われました。
その遺族の相続税の評価額で争われた
事件ですが 原則の遺族の主張は
従業員持株会の株式については 預金としての
性格しかないので 相続税評価額を所得価格の
1万円で評価すべきで 相続時の配当還元法では
評価すべきじゃないと主張しました。 配当率が
18%の会社でしたので 配当還元法による
相続税評価は 1万8千円です。
これにたして 国税不服審判所は
当事者間の契約は 株式譲渡性を否定するものとして
買戻し特約を私法上の効力は無効と判断して採決しました。
平成2年です。
時系列にまとめると
平成2年 国税不服審判所の採決 取得価格での買い戻しを否定
平成7年 最高裁判所の判決 取得価格での買い戻しを肯定
となっており 税務上の評価は 取得価格は認められていないと
解釈すべきですが、相続人が取得した従業員持株会買い戻しされる
特約のある株式については 税法の規定がまだ整備されていないような
気がします。
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2012年11月18日 | コメントは受け付けていません。 |
カテゴリー:従業員持株会